採拓風景の画像・動画 Image and video of taking rubbings


トップページへ戻る


採拓風景





 実際に採拓しているところを写真と動画で紹介します。大きな碑の場合、1枚の拓本を採るのに1時間近くを要します。非常に高い技術と経験が求められる作業です。


 ここで紹介する写真・動画に写っているのは、西安碑林博物館など中国各地で長年採拓の仕事を続けてきた拓本のプロフェッショナル・王先生です。


─ 写真は、一部を除き、@2009年9月に西安科学技術大学の教授の依頼で、唐代の石柱の拓本を採った際に撮影したもの(この日は2時間程度をかけて3枚の拓本を作成)、A2014年9月に西安市内某所にて唐代の墓誌名の拓本を採った際に撮影したものです。


─ 動画は写真の後に掲載しています。






<手順>


@碑面についた砂や埃を布や刷毛等で払い落し、きれいにします。


A碑面に湿らした拓本用の紙を貼る。


─ 紙は、15センチ×20センチ程度に折り畳んだ状態で水に漬ける。取り出した紙を画仙紙の切れ端など水を吸い込みやすい紙で挟み、平らなところに置き、上から重りを乗せて数分程度待つ。水気が適度に取れたら、破けないように注意しながら紙を広げ、碑面に貼り付ける。自分から見て折り目の山が奥に、紙の端が手前にくるように両手で紙を持ち上げ、ゆっくり広げる。その際、思うように紙が開かない場合は、紙の隙間に口で息を何度も吹きかけて広げるのがコツ。

─ 日本の拓本の採り方を紹介したサイトをみると、紙を碑面に貼り付ける際に、水で薄めた糊等を使用する、と書かれていることがありますが、碑面を汚す惧れがあるため、原則として糊等は使用しません。


─ 碑が大きく紙1枚では碑面を全て覆えない場合は、新たな紙で継ぎ接ぎする。この場合、予め紙を繋ぎあわせるのではなく、1枚目の紙を碑面に密着させた後に、2枚目の紙を当てがい(1センチ弱の糊代を作る)、継ぎ目をフエルトの上から木槌で叩く(碑面を傷つけないよう注意)。糊等の接着剤は使用しない。






B刷毛を垂直に持って擦り付け、紙を碑面に密着させる。刷毛は内側から外側に動かす(碑面と紙の間にある空気を層をなくす)。


─ 刷毛は紙に対して垂直に動かすことが大原則。初めはゆっくりと、紙が馴染んできたらスピードを上げていく。紙が破けることを恐れず、力を入れて擦ること。彫りが浅い場合は、紙を密着させるために、最後の仕上げとして、刷毛を45度に傾けて擦る。






C刷毛で紙が破れた場合等には、当該部分よりもやや大きめに切った他の紙を当てがい、木槌で叩くことにより欠損部を補う。その後、再び刷毛で擦る(木槌で叩き密着した紙は、上から刷毛で擦ってもは剥がれることはない)。


─ 木槌を使用する際は、碑面を傷付けないようにフェルトを当ててから叩く。






D団扇を使って紙を乾かす。


─ 王先生曰く、「団扇を使って紙を乾かすことが、拓本を採る作業の中で最も重要かつ難しいこと」とのこと。拓本というと、タンポで紙に墨を乗せていくことがメインの作業と思われがちであるが、王先生に言わせれば、「それは二の次」ということらしい。「適切な乾き具合を目で見て、手で触って分かるようになって初めて一人前」とおっしゃっていました。



Eタンポに墨を付け、何度も板を叩くことにより、タンポに含まれる墨の量やバランスを調整する。タンポで板を叩くのではなく、板でタンポを叩く。全体に墨が行き渡るよう、右手で持ったタンポを、叩きながらゆっくり回していくのがコツ。


─ 因みに、王先生のタンポは手作りのもので、二十年以上使用している愛用品とのこと。






F碑面に貼り付けた紙をタンポで軽く叩きながら少しずつ墨を載せていく。


─ 全体的に万遍なく墨を載せていくのがコツ。墨が少ない場所が残っているからと言って同じ場所を何度も叩くと、墨が湿らせた紙の裏側に浸透し、碑面を汚してしまう危険性があるため注意を払う必要がある。


─ 一通り墨が乗ったところで、団扇で墨を乾かす。


─ ある程度、墨が乾いたら、再度、タンポで墨が少ない部分に墨を載せていく。これを繰り返し行うことにより、拓面の墨が厚くなり、ツヤも増す。






G墨が乾いたら、紙を碑面からゆっくり剥ぎ取り、広い場所で乾燥させる。





H紙がきれいに乾いたら出来上がり。


─ 今回くらいの大きさの紙を折り畳む場合は、横→横と二回じ方向に折り畳み、細長くなった紙を今度は縦に折る。





<動画>


























<参考リンク>


ユーチューブの採拓風景を撮影した動画集のページにリンクを貼っています。





<コンテンツ>


トップページ

1.拓本画像(時代毎の原拓を紹介) 

2.碑林等の紹介 

3.拓本の種類(分類方法) 

4.採拓の画像・動画 

5.拓本の道具一式 

6.拓本の理論価(試算) 

7.拓本の価値とは何か? 

8.重刻本・翻刻本の価格 

9.唐代の前後で異なる拓本の価値 

10.参考になる文献等

11.当サイトに関する注意事項

12.連絡先



トップページへ戻る


書道
WEB SHOP 探検隊
inserted by FC2 system